Who are you?

Who are you?

どちらさまですか?

バンドの練習中、知らない携番から着信があった。

ひと段落したので外に出て、かけ直してみた。

ベルが何回か鳴ってやっと出た。

無言…

オレ「こんばんはYと申しますがお電話いただいようで」
少し間があって…

相手「はい。」
オレ「どちらさまですか?」
相手「Wです」

姪っ子だった!
一瞬言葉を失った。

妹が亡くなってから、10年以上顔も見てない。
電話もしても繋がらない、メールしても返事が来なかった姪っ子からだった。

3年前かな?
姪っ子が住んでいるであろうところへおふくろと行ってみたものの、中に誰かいる気配はしたが出てこなかった。

お袋が手紙を書いてみるとのことで、その場を後にした。

お袋が手紙を出してから暫くして返事が来ていた。
「仕事もしていて元気にやっているから、家まで来ないでくれ」と書かれてあった 笑笑

若い娘らしい返事だったようで、あそこにいて、ちゃんと仕事して、生きているならまぁいいかと、良しとしていた。


で、今回アイツが可愛がっていた、ハクが亡くなったことをお袋が手紙を書いて送っていて、
それを読んでオレに連絡してきたわけでした。


「ごめんなさい」と言って泣いてた。
何も泣くことはない。
お前をひとりにしていた自分たちの方が悪いんだから。
謝るのはこっちの方だよ。

突然母親がいなくなり、10代で一人暮らしが始まり、
身寄りから孤立するように離れていった姪っ子に申し訳なく思っていた。

聞いたら、もう27歳だと言う。

ハクはお前に会いたがってた。
最期に会わせたかった。


しばらくしたらお墓参りにおいで。

Copyright © Good Fields, 2024

Search